2013年3月28日木曜日

色の随想

 バーントシェンナと言う名前の色がある。「燃える様なシエナ」と言う意味で、イタリアのシエナの街が黄赤褐色の壁の家だけで築かれていることから生まれた名前である。
 一つの街が一色に統一されているのを見るのは、ある種の感動を呼ぶ。それはその土地の色であり、文化の色でもある。地中海の少々乾燥した風土に、バーントシェンナはよく似合う。
 もし、これが緑一色だったら、例え歴史があったとしても、初めて見る人間はうんざりするのではないだろうか。赤茶けた風景に緑の街は似合わない。オアシスではないのだから。
 オアシスの家だって、緑色はしていない。
 オーベルジーヌもとてもロマンティックな響きだけど、要するに「茄子色」。だから、「エッグプラント」と表示されていたりもする。ずばり「ナス」と書かれていることもある。
 「白」は難しい。白、ホワイト、オフ、オフホワイト、蛍光晒、無蛍光晒、乳白色、象牙色、アイボリー・・・どれも微妙に異なる。
 一番難しいのは「黒」。黒とブラックは違うって、知ってた? 素人には解らないって?? それは、誤解と言うものだよ。
 並べて見れば、素人でも違いがはっきり解るのが、黒なんだね。同じ薬品を使っても、素材で全く違う黒が出る。同じ素材でも、気温が異なれば、違う色になる。乾かす温度も影響する。
 白に染めるのは簡単だけど、黒は難しいから、一回で仕事を終えなきゃいけない。でないと、まだらな黒が生まれてしまう。
 色を創るのは、誰でも出来るよ。でも、同じ色を創り続けるのは、プロの仕事なんだね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

コメントを有り難うございます。spam防止の為に、確認後公開させて頂きますので、暫くお待ち下さい。
Thank you for your comment. We can read your comment after my checking.