心霊写真研究家の新藤氏の元に、一通の封書が届いた。差出人は遠藤某とか言う男性で、とても困っていると言う。
内容はこうだ。
遠藤家では、その地元に古くから住まいする農家で、5年前に家を改築し、庭も建物も新しく造り直した。家相も風水も万全にチェックして建てたのだ が、入居して間もなく父親が病に倒れ、長期入院するはめになった。母親は看病疲れで体調を崩し、現在は他家に嫁いだ娘(差出人の妹)の世話になっている。
差出人の妻が父親の面倒を見ているが、やはり疲労が溜まってきて、最近は夫婦仲もよろしくない。子供たちもそんな家庭の雰囲気に嫌気がさしたのか、外出が多く、まだ成人していないのに家を出たいと言う。
「何が我が家を苦しめるのだろう、と家の写真を撮りました。どうかご鑑定ください。」
新藤氏は同封された写真を見たが、綺麗な家はどこも悪いような感じはしなかった。そこで現場を見るために、遠藤家に連絡を取り、訪問することになった。
駅に出迎えた遠藤氏は目の下に隈ができて、やつれていた。すっかり疲れた様子だ。新藤氏はいろいろと質問をしてみたが、これと言って霊的な障碍が出ているようにも思えなかった。
ところが・・・
遠藤家の前まで来た瞬間、新藤氏は全てがわかったような気がした。
彼は白い石造りの門柱を撫でてみた。どっしりとした大きな四角い細長い石で、ひやりと冷たかった。
「この石はどこでお求めになりました? 昔からここにあったのですか?」
「いえ、それは、山で拾ったんです。」
「拾った?」
「ええ、うちはタケノコ山を一つ持っていまして。山と言っても、小さい丘なんですが、そこを宅地にする為にブルドーザーで削った時に、土の中から 大きな石がごろごろ出てきましてね、これが綺麗な形で二つ対になっていたものですから、門柱に都合良かろう、と運んできたのです。これが、何か?」
新藤氏は険しい表情を見せた。
「土の中から出てきたのですね? これは恐らく、石室か石棺の一部ですよ。」
「せきしつ? せっかん?」
「石の棺桶です。つまり、古墳の一部ですよ。そのタケノコ山は、古墳だったに違いありません。」
「じゃ、これは墓石なんですか?!」
「厳密には違いますが、それに近いものです。個人のお宅に置くような物ではありません。」
「じゃ、これが我が家に祟っていたのですか?」
「恐らく。これがあった元の山はどうなりました?」
「もう削って売ってしまいました。今は新興住宅地になっていますよ。」
新藤氏は、石をしかるべく寺院か神社に奉納し、お祓いをしてもらうようにアドバイスした。
その後、遠藤家では、父親が奇跡の回復を見せ、母親や妻も元気になった。親たちが元気になると子供たちも戻って来たと言う。
しかし、新藤氏は、それで解決したとは思えなかった。
削られた古墳の他の石や土がどこへ運ばれたのか、依然として不明だからだ。
あなたの家の庭石や、土はどこから来ましたか?
内容はこうだ。
遠藤家では、その地元に古くから住まいする農家で、5年前に家を改築し、庭も建物も新しく造り直した。家相も風水も万全にチェックして建てたのだ が、入居して間もなく父親が病に倒れ、長期入院するはめになった。母親は看病疲れで体調を崩し、現在は他家に嫁いだ娘(差出人の妹)の世話になっている。
差出人の妻が父親の面倒を見ているが、やはり疲労が溜まってきて、最近は夫婦仲もよろしくない。子供たちもそんな家庭の雰囲気に嫌気がさしたのか、外出が多く、まだ成人していないのに家を出たいと言う。
「何が我が家を苦しめるのだろう、と家の写真を撮りました。どうかご鑑定ください。」
新藤氏は同封された写真を見たが、綺麗な家はどこも悪いような感じはしなかった。そこで現場を見るために、遠藤家に連絡を取り、訪問することになった。
駅に出迎えた遠藤氏は目の下に隈ができて、やつれていた。すっかり疲れた様子だ。新藤氏はいろいろと質問をしてみたが、これと言って霊的な障碍が出ているようにも思えなかった。
ところが・・・
遠藤家の前まで来た瞬間、新藤氏は全てがわかったような気がした。
彼は白い石造りの門柱を撫でてみた。どっしりとした大きな四角い細長い石で、ひやりと冷たかった。
「この石はどこでお求めになりました? 昔からここにあったのですか?」
「いえ、それは、山で拾ったんです。」
「拾った?」
「ええ、うちはタケノコ山を一つ持っていまして。山と言っても、小さい丘なんですが、そこを宅地にする為にブルドーザーで削った時に、土の中から 大きな石がごろごろ出てきましてね、これが綺麗な形で二つ対になっていたものですから、門柱に都合良かろう、と運んできたのです。これが、何か?」
新藤氏は険しい表情を見せた。
「土の中から出てきたのですね? これは恐らく、石室か石棺の一部ですよ。」
「せきしつ? せっかん?」
「石の棺桶です。つまり、古墳の一部ですよ。そのタケノコ山は、古墳だったに違いありません。」
「じゃ、これは墓石なんですか?!」
「厳密には違いますが、それに近いものです。個人のお宅に置くような物ではありません。」
「じゃ、これが我が家に祟っていたのですか?」
「恐らく。これがあった元の山はどうなりました?」
「もう削って売ってしまいました。今は新興住宅地になっていますよ。」
新藤氏は、石をしかるべく寺院か神社に奉納し、お祓いをしてもらうようにアドバイスした。
その後、遠藤家では、父親が奇跡の回復を見せ、母親や妻も元気になった。親たちが元気になると子供たちも戻って来たと言う。
しかし、新藤氏は、それで解決したとは思えなかった。
削られた古墳の他の石や土がどこへ運ばれたのか、依然として不明だからだ。
あなたの家の庭石や、土はどこから来ましたか?
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