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2013年5月3日金曜日

ゴールデンウィーク

店員「GWに休ませてください。」

店長「なに言ってるんだ。忙しいのに休んでもらっては困る!」

店員「でも予定入れちゃったんで・・・」

店長「休むって言うんだったらクビだ!」

店員「じゃ、辞めます。」

店長「ちょ・・・ちょっと待った! GW直前に辞められたりしたら困る。」

店員「じゃ、GW終わったら辞めます。」

店長「そ・・・そうか?  じゃ、GWは残ってくれるんだな。」

店員「はい。」

店長「良かった・・・」

店員「じゃ、GWに休んでいいですか?」

2013年3月17日日曜日

スペア

連休の初日だと言うのに、歯が痛くなった。困った、歯科医は休みだ。
仕方がないので、自分で抜いて、スペアの歯を装着した。

階段で足を滑らせて、落ちた。右膝の下あたりが折れた。日曜日だ。救急医療当番の病院は、遠い町だ。運ばれる間の苦痛には耐えられないだろう、と思ったので、自分で膝から下を抜いて、スペアの脚を装着した。

左肩から手まで、痺れている。病院でレントゲンを撮ってもらったが、どこも悪くないと言われた。加齢による痛みなので、適当な運動とサプリで緩和せよと言う。
腹が立ったので、帰宅すると、自分で肩を抜いて、スペアの腕に付け替えた。

頭痛がする。割れるほど痛む訳ではないが、気持ちが悪い鈍痛が続く。
どうも、頭が悪いようだ。 えっと・・・スペアの頭は・・・。

2013年1月29日火曜日

盗人

ヒロシはパソコンの前でイライラしながら座っていた。
「何故、更新されないんだ--」
 画面には、ブログが表示されている。日本語ではない。英文でもない。ちょっと珍しいが、クロアチア語だ。

 ヒロシは、偶然、このブログを二年前に発見した。それがクロアチア語であることを知ったのも偶然だった。大学の友人にクロアチア人の留学生がい たからだ。友人が時々口にする単語を文章の中に発見したのだ。そして興味半分で一つの文を辞書を引き引き訳してみたら、どうやら推理小説の一部らしかっ た。
ブログで推理小説を書いている人がいるらしい。
 ますます興味を引かれた。きっと、その頃、教授とちょっとした意見の衝突できまずくなっており、彼女とも別れた後で、アルバイトもクビになり、引きこもりのせいで友人たちとも疎遠になっていたので、暇だったのだろう。
 一番最初の投稿を探して、半日かけて翻訳すると、やはりそれは小説の書き出し部分だった。
 それから暇があれば一回の投稿文をプリントアウトして翻訳してみた。
大変面白い物語だった。毎回、続きを読みたくなるような文で終わってしまう。そのブログが一月に一回しか投稿されないのも、ヒロシの翻訳スピードに合わせてくれているようで、ちょうど良かった。
 ヒロシはそれをワープロで日本語に書き直し、試しに出版社の懸賞小説に応募してみた。
 出版社から連絡が来た。
「大変面白い作品です。5話までありますが、まだ続くのでしょうね-- 犯人の目星がまだつきませんからね。続きを書かれる予定はありますか--
未完と思える作品に賞を差し上げる訳にはいきませんが、本誌に連載されるおつもりはありませんか--」
 ヒロシはその時、7話まで翻訳が出来ており、まだネット上には未訳が4話あったのだ。彼は他人の、それもクロアチア人の作品だとは明かさぬまま、その話に乗った。
 1話ずつが結構長いブログだったので、日本語に訳すと、ヒロシ自身の文も混ざって、ミステリー雑誌には3話に分けて掲載された。
すぐに読者から反響があり、出版社はその話をヒロシのデビュー作品として、連載することを正式に決めた。ヒロシはペンでお金を稼ぐと言う経験をした。
印税は駆け出しの新人だから多くないが、それが完結して正式な本となったら、もっともらえるはずだ、と編集者が言ったから、それも嬉しかった。
 他人の文章の翻訳なんて、口が裂けても言えない。クロアチア語なんて、日本人で知っている人は少ないし、クロアチア人が日本語の雑誌を読むこともないだろうから、これはばれないはずだ。
 ところが・・・三ヶ月前、ブログの更新が止まってしまったのだ。新しい話の展開がヒロシには読めない。文字通り、どんな風に話しが進むのか、彼 には見当がつかなかったので、これは焦った。しかし、neptuneと言う著者は、興味を失ったのか、それとも何か理由があって書けなくなったのか、そ れっきり投稿がなかった。
 ヒロシの手元の原稿もなくなりかけていた。

 出版社から電話がかかってきた。
「先生、困ったことになりました。」
「なんです--」--困ってるのは、俺だよ!--
「先生の作品を、盗作だと訴えてきた人がいるんですよ。」
「え!」--まさか、クロアチア人が----
「なんでも、三年前から書いてきたブログと、先生の作品が極似しているって言うんです。どう言うことですかね、先生--」
「ぶ・・・ブログって--」--汗、汗、汗--
「あいこ って名前で書いている人らしいんですが、四か月前、うちの雑誌を偶然読んで、先生の作品に気がついたそうです。それで、書くのを止め て、うちのバックナンバーを取り寄せ、最初から読んで、先生の作品が自分の作品と全く同じだって確信したそうです。私もそのアドを見ました。あいこ って 人の主張通りでね、しかも、先生が書かれた日よりずっと古い。どう言うことですかね--!」

クロアチアで
「おう、あいこ、どうして、こうしん しない-- もう ほんやく なくなった。くろあちあ の どくしゃ、みんな つづき まってるよ!」

2013年1月27日日曜日

正当防衛

「あれは酷い・・・」
「ええ、私も同感です」
「・・・害者は?」
「ショック状態で泣いてばかりいましたが、先ほどから落ち着いてきた様子です。」
「犯人は、当初空き巣目的でこの部屋に忍び込んだと言っていたな?」
「はい。そこに被害者が帰宅したので、犯人はクロゼットの中に隠れました。すると、被害者が着替えを始めたわけで・・・」
「ムラムラっときた男は、クロゼットから飛び出して、彼女に襲いかかった、と言うことだな?」
「はい、被害者と犯人の証言は一致しています。」
「当然、彼女は抵抗した・・・」
「はい。」
「犯人は?」
「まだ暴れています。四人がかりで押さえつけているんです。」
「無理もないだろう。あんな目に遭ったのだから。まだ、全部抜けてないんだろ?痛いだろうな。」
「しかし、彼女も死にものぐるいだったんでしょう。レイプされかけたのですから。あの程度で済んで、良かったと思うべきですよ。」
「しかし、哀れな気もするなぁ・・・」
「ええ・・・」


「急所にサボテンか・・・」

2013年1月4日金曜日

一大事

 花子さんが友達とデパートに買い物に行き、トイレに入りました。
そそっかしい人だったので、用事を済ませてから、トイレットペーパーがないことに気が付きました。
 予備のロールさえなかったのです。
 花子さんは思わず隣のボックスに入っている友達に声をかけました。

「紙がないわ!」

 すると、ドアの下から白い手が出てきて、

「どうぞ」

とポケットティッシュをくれました。
花子さんは「ありがとう」と受け取って、ティッシュを使いました。

水を流してから、花子さんは外に出ました。
外には誰もいませんでした。
そこで初めて花子さんは大変なことに気が付いて悲鳴を上げました。
集まった人々に、花子さんは顔を真っ赤にして言い訳しました。

「化繊入りティッシュを使ったので、トイレが詰まってしまったわ!!」

地球防衛軍・自称

我等が地球はエイリアンに占領されようとしている。
彼らはGWが終わった頃から突然我らが領土を侵略し始めた。
とにかく、目のつく所、至る場所に彼らははいずり回っている。
即刻撃退せねばならん。
ハヤタ隊員、君は至急、薬局に行き、迎撃薬品を購入するのだ!
諸星君、君は割り箸でもなんでも良い、早急に連中を確保し、塩漬けにせよ!
私か? 私は傍観している。近づくのもイヤだからな。
健闘を祈る!!



課長・・・ずるいですよ、いくらナメクジが嫌いだからって・・・。

2013年1月2日水曜日

密談 2

「来月の入札の件でございますが・・・」

「うん?」

「是非、当店にお任せを・・・」

「うむ・・・考えぬでもないが、やはり、その、なんだな・・・」

「はいはい、心得ておりますとも。おい、例のものを・・・」

「おお! これは!」

「はい、今朝手に入ったばかりのピチピチの粒ぞろいでございます」

「なんと! 美しい・・・瑞々しい肌、芳しい香り・・・」

「それに熟れた果実・・・でございましょう?」

「むむむ・・・つまんでみたいものじゃ」

「指で触れられる程度でしたら・・・大事な商品ですから・・・しかし、お奉行がお望みとあらば、このままご自宅まで送らせて頂きますが・・・」

「い、いや、それには及ばぬ。もし、妻に見つかれば大変なことになる・・・」

「では、こちらで?」

「うむ・・・」

「でしたら、あちらにお部屋をご用意させますから、後でごゆっくりと・・・」

「ふふふふ・・・」

「喜んで頂けたようですなぁ。 では、次回の入札の件、よろしくお願い致します。ライバルのとよのか屋、さちのか屋には絶対に負けたくありませんから。」

「イチゴ屋、おぬしも悪よのぅ」

「お奉行・・・」

「わしは、仕入れ部長じゃ」

2012年12月31日月曜日

迷惑電話

「ねぇ、ちょっと聞いてよ。
うちの課の竹田課長の奥さんって、なんなの、この人は? って感じ。

 部屋の電球が切れたとか、クルマ屋さんから車検の案内が来たとか、どーでもいいことをわざわざ仕事中のダンナにかけてくるのよ。それも、後半時間もすればダンナの仕事が終わって、歩いて10分足らずのお宅にお帰りあそばすって時刻に。

 非常識にもほどがあるわ。いい歳して、いちいちダンナの指示を貰わなきゃ、何にも出来ないってわけ?
 それに、あの夫婦、携帯持ってるくせに、自分たちからは絶対にかけないのよ。私用にも会社の電話。

 こっちは早く仕事おいて帰りたいのに、しょーもないことで長々と夫婦会議なんだから、たまったもんじゃないわ。
 ねぇ、聞いてるの?」

「聞いてるわ。
 あのね・・・言いにくいんだけど、この内線、貴女からかかって来たってわかったから、保留にするつもりで、ボタン押したら、間違えて拡声にしちゃったの。だから、さっきの電話・・・」

「えっ・・・」

ガチャン、ツーツーツー・・・

2012年11月16日金曜日

警官が町内をパトロールしていると、ある家の前で女性がドアの鍵をこじ開けようとしていた。

「どうしました?」

警官が声をかけると、女性はホッとした表情で説明した。

「鍵が見あたらないので、なんとか中に入ろうとしているんです。家の中にきっと合い鍵があるはずですから。」

「では、窓から入ってはどうです?」

「さっき試してみましたが、無理でした。この家の窓は二重ロックなんです。」

「では、玄関も多重ロックの可能性がありますね。」

「いいえ、玄関は一カ所だけなんです。」

「ああ、そうでした、ご存じですね。」

「早く開けないと、家の人が帰ってきたら困りますわ。」

「困るでしょうね、それは・・・」

警官は苦笑いしながら言った。

「ここは私の家なんです。」

2012年9月20日木曜日

吸血鬼

その1

吸血鬼
「血ぃ吸うてもええ?」

人間
「ええけど、後で杭が残るで。」


その2

吸血鬼
「君と一緒に昼を共に過ごしたいなぁ・・・でも、店で売ってるお棺は全部一人用で、狭いんだ。」

人間
「それは残念やなぁ・・・うちのおカンやったら、二人分の幅があんのになぁ・・・」

2012年9月12日水曜日

ある事件

今日の午後3時40分頃、JRなんたら駅構内の喫茶店で市内の会社員Aさんが、妻のB子さんに顔を往復ビンタされ、全治死ぬまでの心の傷を負う事件が発生しました。
目撃者の証言によると、AさんとB子さんは向かい合って座っていましたが、突然B子さんが腰を浮かして、テーブル越しにAさんの顔面を平手で殴ったと言うことです。
調べに対しB子さんは、
「夫の浮気が原因で離婚話をしていた。夫が二度と浮気をしないと誓った、その舌の根が乾かぬうちに、店の窓の外を通りかかった女子高生に視線を向けた。いつも肝心な時に気を抜いて油断する夫の性格が許せなかった。」
と言っています。
なお、今回の事件で夫婦仲は修復不可能とB子さん側の弁護士は断言しています。
離婚が成立すれば、Aさんは無一文の宿無しになることが必至で、辛い冬を過ごすことになりそうです。

以上、ニュースをお伝えしました。

スジ

美容院で先生に髪を切ってもらっている時、アシストさんが出勤してきました。挨拶しましたが、何かちょっと不機嫌な表情。私と先生が二人で盛り上がっていたのに嫉妬するはずもないし、何かあったのかな、と思っていたら、そのうち、こんなお話を始めました。

昨日、アシストさんは自宅でスジ(牛スジ)を煮込みました。自分でもなかなか美味しく煮込めたと思ったそうです。固い部分が少なくて、ゼラチン質のプルプルが多く、出汁をしっかり出して、また味もよくしみ込んでいたそうです。
そして、今朝、アシストさんが起きて二階の寝室から出て階段を下りると、下で姑さんが待ち構えていて、いきなりアシストさんに苦情の申し立てを始めました。
なんでも、昨夜、隣家の息子が遊びに来て、アシストさんの息子と一緒に晩ご飯を食べた時に、当然お総菜にスジの煮込みも食べました。
姑さんはそれが気に入らなかったらしいのです。

「あんな美味しいスジ煮込みは二度と食べられないかも知れないのに、どうしてあかの他人に食べさせた!私が今朝食べようと思ったら、もう残っていないじゃないか!!」

と言う訳です。
アシストさんは、「たかがスジ煮込みでなんで朝っぱらから文句を言われなければいけないのか、これから機嫌良く仕事に行こうとしていた時に・・・スジなんて、これから何度でも煮込んであげられるじゃないの」
と不満だったので、不機嫌だったのです。

スジの通る話でしたでしょうか?

2012年9月9日日曜日

筍泥棒

竹藪で・・・

女性「そこで何をしてはるんですか?」

男性「筍採ってまんねん。」

女性「そやかて、ここはうちの竹藪でっせ。」

男性「せやけど、儂、新鮮な筍食べたかったんや。」

女性「食べたかった言うても・・・他人の竹藪でっせ。」

男性「せやって、筍ぎょうさんあるやないか。あんた、これ、全部食べるんか?」

女性「そんなん食べられませんわ。」

男性「あんたの家族全員でも食べられへんやろ?」

女性「そりゃ・・・食べられへんけど・・・」

男性「筍は、採ったその日に食べんと鮮度落ちるんや。」

女性「そうですわなぁ・・・」

男性「せやから、儂が食べんといかんねん。ほったらかしにしたら、今日の筍、明日はもう食べられへんやろ? めちゃもったいないやんか!」

女性「そうやね・・・」

男性「せやから、これ、儂がもらうんや。ほれ、見てみぃ! この見事な筍、店で買ったら一本900円はするでぇ。」

女性「すごいねぇ!」

男性「あんた、ええのいっぱい生えてるから、早よ採りや。 儂、急ぐよって、もうおいとまするわ。ほななーーー!!」

2012年3月8日木曜日

古文書

「この古文書を読み解いてください」

 と見知らぬ美女から、巻物の様な物を渡された。ごわごわした羊皮紙の様だ。力を入れると破れそうなので、静かに紐を解き、広げて見た。
 初めて目にする文字だった。何語なのか、さっぱり分からない。西洋の文字ではないし、アラビア語でもないし、漢字でもない。

「この文書は何処で?」

 尋ねると、美女は困った様に目を伏せた。

「図書館にあったのです」
「どこの?」
「この町の・・・」

 この町の図書館は文学専門じゃなかったのか?こんな考古学的資料など置いていただろうか。
 もう少しよく調べようと文書を注意深くめくってみた。
 ページの間に何か硬い物が入っていた。紙の隙間から取り出してみると、それは鱗の様に見えた。

「ああ、解いてくださったのですね!」

 彼女が嬉しそうに叫んだ。 なんのことか、と尋ねようと振り返ると、そこに彼女の姿はなく、一匹の竜がいた。

「有り難う」

 と竜が人語で言った。

「尻尾の鱗が挟まってしまって、自分では取れずに1000年間、その文書と共に過ごしてきました。誰もその文書を開こうとしなかったので・・・。
お陰で自由になれました。何か、一つ御礼を差し上げましょう。好きな物を仰ってください。」

 そう言われても、こっちは腰が抜けているから考える余裕もない。思わず口から出たのは、

「ううう・・・」

「鵜ですね!」
 竜はにっこり(?)笑って、鵜を三羽出すと、机の端に留まらせた。

「では、恩返しは済みました。さようなら!」

 竜は窓から飛んでいってしまった。

2012年3月5日月曜日

夜道

 これは「実際にあったこと」と人から聞いた話だが・・・。

 乾燥室で働くNさんが、ある夜、飲み屋で仲間と一杯ひっかけて、ほろ酔い気分で自転車に乗ってたんぼ道を家路についていた。
 竹藪のはずれで、道端に女の人が立っているのが見えた。近づくと、知り合いのスナック店員で、彼女も家路についているらしい。
 「今晩は。 一人で歩いて帰るの?」
声をかけたら、彼女が振り返ってにっこり笑った。
「あら、今晩は。うちはこの近くなの。心配しなくても大丈夫よ」
 そして彼女はこう言った。
「そちらも、お一人? 良かったら寄ってかない?」
Nさん、ちょっとどきどき。普段なら、そんな誘いに乗らないんだけど、酔っていたので、ついふらふらと・・・。
「いいの?悪いなぁ・・・」
 彼女の家は本当にすぐ近くで、座敷に上げてもらい、そこでまた酒とおつまみを出された。
 それからNさんがいよいよ酔いが廻って自転車に乗るのが辛いな、と思い始めた頃、彼女がまた誘った。
「良かったら、お風呂が沸いているから、入っていきなさいな」
 Nさん、遠慮無くお風呂に入った。ほど良く温かで、気持ち良くなって、お湯に浸かったまま、寝込んでしまった。

「あれ、Nさん、なんでそんなところに入ってるの?落ちたの?」

 誰かの大声で、Nさんは目覚めた。



 田んぼの中の、肥だめの中で・・・。

2012年1月19日木曜日

未完の大作

アイデアが湧き出るままに、創作に取りかかることがよくある。
 後から後から構想が沸いてきて、自分ではどうしようもなく、どんどん手が進む。
 かなり大量に出来上がったところで、突然、アイデアが涸れる。 どうしようもない、どんなに考えても、それ以上は何も出てこない。
 また、この作品は没なのか。
 完成されることもなく、世間に未発表のまま、朽ちていくだけなのだな・・・。




「ちょっと、誰よ、蜜柑で彫刻なんてしたのは??
 腐りかけているじゃない、さっさと棄てなさい!!!」

2011年12月27日火曜日

幸福度

日本の都道府県幸福度1位は福井県、最下位は大阪府だそうです。

「気ぃ悪いわ。」

「住みやすいのになぁ」

「食べるんにも全然困らへんし。」

「で、あんた、これからどこ行きなはんの?」

「公園や。救世軍がカレー配ってるそうやから。」

2011年12月25日日曜日

遺産

父の遺産相続の為に姉妹が集まった。
 長女の桃子。父と性格が似て頑固なので、父の晩年は対立して電話すらしなかった。勿論、父が病に倒れてからも見舞いにも来なかった。
 次女の梨花。体が弱く、それを理由に近所に住んでいるにもかかわらず、一度も父の看病の手伝いに来なかった。今も神経性の胃炎で悩んでいると愚痴をこぼしている。
 三女の栗子。海外赴任の夫と共に帰国したのは、父の49日の直前、つまり昨日。葬式に間に合わなかったのは許すとして、どうして遺産がもらえるかも知れない時に帰ってくるの? もっと早く帰って来られたでしょ?
 四女の杏。一番父に可愛がられていたので、自信満々の表情だけど、ダンナの会社は火の車。内心はきっと穏やかじゃないわね。全額もらえる訳はないしね。
 五女は、花梨、つまり、私。末っ子だけど、家に残って一人で父の世話をした。葬式の手配もしたし、桃子姉に言われて喪主も務めた。これでみんなと同額じゃ、割に合わないわ。

 弁護士が封筒を開封するのを、全員が固唾を飲んで見守った。
 白い便箋を手にして、弁護士が読み上げた。

「娘たちの健康で豊かな人生を願って、ここに全ての遺産を以下の者に贈ることにする。

 次女 梨花」


 そんな馬鹿な!!

 私たち姉妹の叫びを無視して、弁護士は次女梨花に小さな手提げ金庫を渡した。株券とか土地の権利書なら十分入る大きさだ。
 梨花は得意満面で、金庫を開いた。彼女の顔色が変わった。

「何よ! これは?!」

 梨花姉がテーブルの上に投げ出した金庫を覗いて、私たちは唖然とした。
 そこには、金色に光る粉が入ったガラス瓶と一通の覚え書き・・・

 毎食後半時間以内に必ず服用のこと



 胃散だった。

2011年11月2日水曜日

スピン・オフ

 今度のドラマ企画、”ある晴れた日”のスピン・オフにしようと思うんです。”ある晴れた日”はなかなか好評でしてね、登場人物たちは主人公以外もそれぞれ個性的でファンが付いたんですよ。 
 このままじゃ、もったいないですから。
 新しい主人公は、”ある晴れた日”の主人公の生き別れた双子の妹の予定です。
 え、同じ女優じゃ、スピン・オフの意味がない? 杉田聖子の二役じゃないかって?
 違いますよ。 よく似た女性を見つけたんです。 ええ、まだ出演交渉してませんけどね、演(や)れそうですよ。
ちょっとこっちの方は下品な感じなんです。生き別れの方はスラムで苦労して育ったと言う設定で・・・それで、見つけた彼女もその、なんと言うか、下品なイメージが魅力的でしてね・・・
 あ、ちょっと待ってください、今、交渉に行ってるスタッフから連絡が入りました・・・





 すみません、プロデューサー
彼女は駄目でした。
杉田聖子がすっぴんで歩いてたんです・・・もしもし??

2011年10月14日金曜日

考古学者???

「先生、昨日亡くなったドンブリ島文化研究の権威バカヤマ先生の遺品なんですが・・・」

「ん? どうしたんだね?」

「ドンブリ島人の若者が自分の物だから返して欲しいと言うのです。」

「バカヤマ先生のコレクションは全て遺跡から収集した物だろ。 個人の持ち物はないよ。」

「それが、彼が言うのは、あれは遺跡ではなくて、今でも使っている現役の墓所だそうです。」

「なんだって? あんなに荒廃していてジャングルに呑み込まれかかっていると言うのに?」

「ジャングルなので、草刈りをしても一月でああなっちゃうんだそうです。 それに、ほんの二月前に葬った彼のお祖父さんの骨も無くなっているそうです。」

「そうか・・・その若者にバカヤマ先生の遺品を見てもらって、該当する物を返還する手続きをしてあげなさい。 もし貸してもらえる物があれば、研究用にお借りするように。」

「わかりました」

「あ、それから・・・そこのロッカーに入れてある骨格サンプルも返してあげてくれ。多分、彼のお祖父さんだ。」