2013年1月29日火曜日

時の流れに

毎日の通勤路で見かけた古いお社。
どんどん朽ちていく。
屋根は落ちかけ、壁は崩れ、塀はもうない。境内は草茫々。
なんだか神様が気の毒で、ある休日、友達と一緒に掃除をした。
僕らにとっては、ちょっとしたリクリエーションを兼ねた奉仕活動のつもりだった。
崩れた箇所はどうしようもないけれど、なんとか綺麗になって、夕方、僕らは満足して帰った。
ところが、翌日、出勤の時、そこを通りかかると、何故か既に草茫々。
僕は呆然。
それから毎週意地になって掃除したが、次の日には元通り。
これは、神様の仕業なのか、それとも悪魔?

年末、半壊しかけたお社に注連縄がはられていた。
誰だろう?
とうとう僕は正月の朝早く、その神社に張り込んでしまった。
現れたのは、町内会の年寄り連中。
彼らが注連縄を張ったのだ。
でも、どうして普段はほったらかしに?
僕の疑問に彼らは答えた。

「ここの神様が、もうええ、ってゆうたはるんや。」

「人々の信仰が他所に行ってしもうた。せやから、神様、もうここから消える、ゆうたはるんや。」

「あんたも、神様の心、大事にして、そのままにしといてあげなはれ。古い物を大事にする、その心がけだけは大切にしてな。」

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