2013年9月18日水曜日

赤竜 1 その16

「女二人が共謀して爺様を殺したってのは、どうだ。」
 ライリーが言った。勿論本心から思っている訳ではない。ソーントンはかなりの高齢だった。イヴェインは後2,3年待っても不満はなかったはずだ。慌てて 殺す理由はない。それに彼女が遺産相続人に指定されていることを知ったのは、弁護士事務所でのことだったのは、疑いようがなかった。そうでなければ、余程 の芝居上手か、だ。
 レインボウブロウは始めから全て知っている様子だった。多分遺言の内容も知っていた。彼女ならソーントンでなくイヴェインを殺した方が得なのだ。或いはソーントン殺しをイヴェインになすりつけて、遺産の権利を横取りするとか・・・。
 警察はイヴェイン・カッスラーとレインボウブロウに街から出ないよう勧告した。せめて彼女たちが犯行に全く関与していないと判明するまで。

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