2013年3月20日水曜日

アイデア

「嬉しいわ、来てくれるなんて!」
「貴女が、落ち込んでいるって言うから、様子を見に来たのよ。でも、元気そうじゃない?」
「うん、実は、小説のアイデアが浮かばなくて、もう作家人生も終わりかと思ったら、生きてるのも嫌になって、死のうかな、なんて考えてたら、ふとアイデアが浮かんだのよ!」
「どんな? 私、いつも貴女の作品、必ず買うのよ。粗筋だけでも教えてくれない? 絶対に本は買うから。あ、私がお茶を入れてあげる。美味しいアーモンドのお茶を買ってきたのよ。」
「ありがとう。
あのね、筋は単純なんだけど・・・殺し屋が殺人を犯すところを、偶然通りかかったクルマの人たちが目撃してしまうの。目撃者は3人で、4人目は盲目の女 性。彼らはある秘密があって、警察に通報出来ないんだけど、そのうち、一人が何者かに殺されてしまう。殺し屋の仕業だと考えた彼らは身を守ろうとする。け れど、二人目も殺される。
盲目の女性のところに客が来るの。女性なので、盲目の女性は警戒を緩めるんだけど、会話するうちに、彼女が殺し屋じゃないか、と疑いを持ち始める。ちょっとした心理合戦ね。そこへ、3人目の目撃者が来て・・・」
「それで?」
「ふふふ・・・後は作品が完成してからのお楽しみ!」
「ケチね・・・あははは、じゃ、本が出るのを待ちましょう。ほら、お茶が入ったわよ。」
「ありがとう。あら、本当にアーモンドの良い香りがするのね。貴女は飲まないの?」
「私はカフェイン絶ちしているから、いいの。私こそ、ありがとう、って言わせてね。素敵なアイデアを聴かせてくれて・・・」

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