「この古文書を読み解いてください」
と見知らぬ美女から、巻物の様な物を渡された。ごわごわした羊皮紙の様だ。力を入れると破れそうなので、静かに紐を解き、広げて見た。
初めて目にする文字だった。何語なのか、さっぱり分からない。西洋の文字ではないし、アラビア語でもないし、漢字でもない。
「この文書は何処で?」
尋ねると、美女は困った様に目を伏せた。
「図書館にあったのです」
「どこの?」
「この町の・・・」
この町の図書館は文学専門じゃなかったのか?こんな考古学的資料など置いていただろうか。
もう少しよく調べようと文書を注意深くめくってみた。
ページの間に何か硬い物が入っていた。紙の隙間から取り出してみると、それは鱗の様に見えた。
「ああ、解いてくださったのですね!」
彼女が嬉しそうに叫んだ。 なんのことか、と尋ねようと振り返ると、そこに彼女の姿はなく、一匹の竜がいた。
「有り難う」
と竜が人語で言った。
「尻尾の鱗が挟まってしまって、自分では取れずに1000年間、その文書と共に過ごしてきました。誰もその文書を開こうとしなかったので・・・。
お陰で自由になれました。何か、一つ御礼を差し上げましょう。好きな物を仰ってください。」
そう言われても、こっちは腰が抜けているから考える余裕もない。思わず口から出たのは、
「ううう・・・」
「鵜ですね!」
竜はにっこり(?)笑って、鵜を三羽出すと、机の端に留まらせた。
「では、恩返しは済みました。さようなら!」
竜は窓から飛んでいってしまった。
と見知らぬ美女から、巻物の様な物を渡された。ごわごわした羊皮紙の様だ。力を入れると破れそうなので、静かに紐を解き、広げて見た。
初めて目にする文字だった。何語なのか、さっぱり分からない。西洋の文字ではないし、アラビア語でもないし、漢字でもない。
「この文書は何処で?」
尋ねると、美女は困った様に目を伏せた。
「図書館にあったのです」
「どこの?」
「この町の・・・」
この町の図書館は文学専門じゃなかったのか?こんな考古学的資料など置いていただろうか。
もう少しよく調べようと文書を注意深くめくってみた。
ページの間に何か硬い物が入っていた。紙の隙間から取り出してみると、それは鱗の様に見えた。
「ああ、解いてくださったのですね!」
彼女が嬉しそうに叫んだ。 なんのことか、と尋ねようと振り返ると、そこに彼女の姿はなく、一匹の竜がいた。
「有り難う」
と竜が人語で言った。
「尻尾の鱗が挟まってしまって、自分では取れずに1000年間、その文書と共に過ごしてきました。誰もその文書を開こうとしなかったので・・・。
お陰で自由になれました。何か、一つ御礼を差し上げましょう。好きな物を仰ってください。」
そう言われても、こっちは腰が抜けているから考える余裕もない。思わず口から出たのは、
「ううう・・・」
「鵜ですね!」
竜はにっこり(?)笑って、鵜を三羽出すと、机の端に留まらせた。
「では、恩返しは済みました。さようなら!」
竜は窓から飛んでいってしまった。
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