久し振りに電車に乗った。
真昼の電車。
ガラガラに空いている。
通勤用の電車なので、座席は車両の両側に長椅子が付いているタイプ。
その車両には、数人しか乗客がいなかった。
私は読みかけの本を出して開いた。
子供の声がした。
「わぁ! 海だ! でっけーー!」
顔を上げると、向かいの椅子に小さい男の子がいて、こちらに背中を向けて窓の外を眺めている。
窓の外には大阪湾が広がっている。西は明石海峡。
そんなに綺麗な海域ではないが、電車から見える海は真っ青で美しい。
ちょうど電車は断崖の上の、その私鉄で最も眺望が美しいT駅にさしかかろうとしていた。このT駅は、有名ではないが、関西の鉄道マニアの間では隠れた名所なのだ。天気が良ければ西は明石海峡大橋から東は天保山の方角までが見渡せる。
「わぁ、海だ、広いな!」
子供は叫び、私を振り返って笑いかけてきた。
私も微笑みを返し、本に戻った。
電車がT駅に入り、停車した。
軽い揺れで、私は再び顔を上げた。駅から見える海を見る、いつもの自然な行動だった。
子供はいなかった。
どこにも。
そして、私は気づいた。
子供が振り返った時、体はそのままで、首から上だけが私の方を振り返ったことを。
真昼の電車。
ガラガラに空いている。
通勤用の電車なので、座席は車両の両側に長椅子が付いているタイプ。
その車両には、数人しか乗客がいなかった。
私は読みかけの本を出して開いた。
子供の声がした。
「わぁ! 海だ! でっけーー!」
顔を上げると、向かいの椅子に小さい男の子がいて、こちらに背中を向けて窓の外を眺めている。
窓の外には大阪湾が広がっている。西は明石海峡。
そんなに綺麗な海域ではないが、電車から見える海は真っ青で美しい。
ちょうど電車は断崖の上の、その私鉄で最も眺望が美しいT駅にさしかかろうとしていた。このT駅は、有名ではないが、関西の鉄道マニアの間では隠れた名所なのだ。天気が良ければ西は明石海峡大橋から東は天保山の方角までが見渡せる。
「わぁ、海だ、広いな!」
子供は叫び、私を振り返って笑いかけてきた。
私も微笑みを返し、本に戻った。
電車がT駅に入り、停車した。
軽い揺れで、私は再び顔を上げた。駅から見える海を見る、いつもの自然な行動だった。
子供はいなかった。
どこにも。
そして、私は気づいた。
子供が振り返った時、体はそのままで、首から上だけが私の方を振り返ったことを。
もう長い間電車に乗ってないので、想像するだけで懐かしい。ガタゴトという揺れ。ドアの開く音。ちと埃っぽい空気。
返信削除海の見える電車って、最早ジブリのよう。波が光を照り返してキラキラ光っていて、とってもキレイ。島も見えるし船も走っている。
それはもうノスタルジー。記憶に刻まれた、憧れの世界。(;-;)
少年は車窓から眺める海が好みだったのかな?
風景が美し過ぎて、怖いとは思えませんでした。海の情景を
眺めていられるなら、こーゆーのもイイかも。
昔の山陽電車、滝の茶屋駅 を連想してみるのだ!
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