「空の緑」のI N D E X ２

 番外編　２

第７部　

１。南端の家

２。渓谷の秘密　　　

３。取り残された者　　　

４。誘拐

５。ミーヤ

第８部

１。贈り物

２。探索

３。チクチャン

４。シュスとシショカ

第９部

１。シャーガス病

２。ボリス・アキム

３。エル・ティティ

４。古の部族

５。セルバのアメリカ人

第１０部

１。依頼人

２。穢れの森

３。追跡

４。粛清

５。罪人

第１１部

１。紅い水晶

２。石の名は

３。石の目的

４。太古の血族

「空の緑」のINDEX

 １。記憶喪失の男

２。笛の音

３。風の刃

４。はざま

５。アダの森

６。異郷の空

７。聖夜

８。博物館

９。礼拝堂

１０。太陽の野

１１。星の鯨

番外編　１　雨の日

第２部

１。バナナ畑

２。節穴

３。涸れた村

４。地下水路

5。ゲンテデマ

６。雨の神

第３部

１。夜の闇

２。潜む者

３。隠された者

４。隠れる者

５。狩る

６。終楽章

第４部

１。嵐の後で

２。忘れられた男

３。忘れられるべき者

４。悩み多き神々

５。牙の祭り

６。花の風

第５部

１。西の海

２。山の向こう

３。山へ向かう街

４。山の街

番外

第６部

１。水中遺跡

２。訪問者

３。七柱

４。赤い川

５。虹の波

「ドーマーズ」の INDEX 4

新シリーズ

１.「蛇行する川」1       

2. 「ブラコフの報告」　　　　１

3. 「星空の下で」　　　　　１

4. 「狂おしき一日　La Folle journée 」　　１

「ドーマーズ」の INDEX 3

本編をドーム側から語る

1.    4X's 2

2.　捕獲作戦　２

３. 中央研究所　２

4.  JJのメッセージ　２

5. 牛の村　　２

6. トラック　　２

7. リンゼイ博士　　２

8. 新生活     2

9. 対面     2　　

10. 暗雲     2　　

１１. 囮捜査     2

１２. 誘拐     2

１３. 訪問者     2

１４. 大嵐     2

１５. オリジン     2

１６. 奮闘     2

１７. 家路     2

「ドーマーズ」の INDEX ２

スピンオフ集

１．侵略者　
　　　ラベル　spinoff1
 　　　ニコラス・ケンウッドとローガン・ハイネ・ドーマーがいかにして親友となったか

２．後継者
　　　ラベル　spinoff2
           ケンウッドとハイネがさらに友情を紡いでいく

３．退出者
　　　ラベル　spinoff3
  　　　恋をした人々がドームに残ることは不可能なのだろうか？　

4.　購入者
　　　ラベル　spinoff4
           ドームに危機が？ 暖房が使えなくなって、ドーマー達は大騒ぎ・・・

5.  脱落者
　　　ラベル　spinoff5
　　　 　ローガン・ハイネ暗殺計画？　　敵はもっと質が悪かった

6. 泥酔者
　　　ラベル　spinoff6
　　　　ドームを引っ掻き回すとどんな処分が下されるか？

7. 待機者
　　　ラベル　spinoff7
           待つ身の辛さ。 ポールとクロワゼット大尉の因縁話も絡めて・・・
　　　　

「ドーマーズ」の INDEX

各章の最初のアド

随時更新予定

１．４Ｘ’ｓ　

２．捕獲作戦

３．中央研究所

４．ＪＪのメッセージ

５．牛の村

６．トラック

７．出張所

８．リンゼイ博士

９．新生活

１０．対面

１１．暗雲

１２．囮捜査

１３．誘拐

１４．訪問者

１５．大嵐

１６．オリジン

１７．奮闘

１８．家路

１９．Ｂｒｅａｋ

４Ｘ’ｓ ２

「人前に出すのを避けているんだな。」

ポールの呟きを聞こえなかったふりをして、ダリルはドアを開けた。ポールはそれに気づくと、階段を上り、家の中に足を踏み入れた。
　外が強烈な陽光で明るかったのと対照的に、屋内はひどく暗くひんやりとしていた。ダリルは自分の貧しい生活を恥と感じたことはなかったが、ポールの目にはどう映っただろうと気になった。家具の多くは彼の手造りだ。新しいのは息子の作品も混ざっている。店で買った物は少ない。自給自足に近い生活で彼は満足だったが、ポールには想像もつかないだろう。

「何か冷たい物でも飲むか、ここにも冷蔵庫くらいはあるんだぞ。」

台所に向かいかけるダリルの手をポールが掴んだ。振り返ると、引き寄せられた。

「お茶を飲みに来た訳じゃない。仕事の話だ、ダリル。」
「飲みながらでも出来るだろう。逮捕される前に君とお茶を飲ませてくれ。」

ポールはいつも職務に忠実だった。今も変わらない。肩から力を抜くことを知らないんだ。ダリルはポールの手の力が緩んだ隙に、相手から離れた。
　台所の窓から畑を見ると、ライサンダーは既に三分の二を耕し終えていた。
　ソーダ水を運んで行くと、ポールは木製の椅子に座って新聞を漁っていた。地元の薄っぺらな新聞だが、１日おきに郵便屋が配達してくれるので、映りの悪いテレビや雑音の酷いラジオよりは頼りになるニュースソースだ。もっとも、ニュースは地元の話題がほとんどだったが。
　ダリルはトレイをテーブルに置き、ポールの向かいの一人掛けの椅子に座った。
「ビールは飲めなかったよな、ポール？」
「ああ」

ポールは新聞を置き、タンブラーを手に取った。

「息子の母親はどうしたんだ、ダリル。君は婚姻登録も子孫登録もしていないが。俺は君の住まいを見つける為にあらゆる法律上の記録を調べたが、この辺鄙な土地の住所登録で君の名前を発見するまで、何一つ見つけられなかった。あの息子は婚外出生児か、それとも違法出生の子供なんだな？」

　彼の詰問口調に、ダリルは否定しなかった。

「私の息子は遺伝子管理局の目を盗んで産まれた。私が創ったんだ。」
「ダリル・・・」

　ポールが首を振った。

「君なら、申し込めばいつでも養子がもらえたはずだ。何故、そんな違法を・・・発見されれば再教育は免れられないぞ。息子は管理局に収監される。君の子供ではなくなるんだ。
わかっているだろう、君自身の仕事だったんだから。」

　ダリルはポールを見つめた。何故わかってもらえないのだろう。管理局からもらう子供など欲しくなかったのだ。誰の子供かわからないクローンなんか。
　ダリルは席を立ち、ポールの隣に移動した。ポールは動じなかったが、タンブラーをテーブルの置いた。